オリジナル鞄製造会社を株式譲渡した事例の概要
| Sellサイド(譲り渡す側) | Buyサイド(譲り受ける側) | |
|---|---|---|
| 業種 | アパレル(製造) | アパレル(製造・販売) |
| 売上 | 数千万円 | 約50億円 |
| オーナー年齢 | 30代 | 40代 |
| 主目的 | 事業継続と子供を支援するため | 新市場開拓のため |
Q1. 会社の譲渡を考えたきっかけは何でしょうか?
まず最初に、会社を譲渡しようと考えたきっかけを教えてください。
私は数年前から、オリジナルの名入れバッグをつくり、インターネット等で販売する事業をママ友3人と一緒に運営していました。事業自体は好調で、楽しくやっていたんですが、息子がインターナショナルスクールに通い始めて、さらにゴルフに本気で取り組むようになったんです。試合や遠征も増えてきて、事業と両立するのがどんどん難しくなってきました。
なるほど。お子さんの成長が大きなきっかけになったんですね。
そうなんです。息子の時間を優先したいと思っていたところ、たまたま主人から吉川さんを紹介していただくことになって。そこでM&Aのことや事例を聞いたりして、「この事業は信頼できる方に引き継いでもらおう」と決めました。
Q2:M&Aを進める上で不安はありましたか?
M&Aを進めていく上で、不安はありませんでしたか?
とくに大きな不安はなかったですね。ただ一つあるとすれば、「私たちの事業を譲り受けてくださる方が見つかるのかな?」という心配はありましたね。
おっしゃられていましたとね。一緒に働く仲間のことを考えると、できればいい方に譲り渡したいとも。
そうなんです、条件云々よりも、そこが気になっていました。なので、誠実な経営者の方に譲り受けていただくことが決まって、本当にほっとしました。
Q3:買い手側と初めてお会いして、どんな印象でしたか?
トップ面談の段階からお互いに好感を持たれていましたよね。初めてお会いしたときは、どんなお気持ちでしたか?
お会いした社長が、「新しい挑戦をしたい」「インターネット販売にも力を入れていきたい」「皆さんと一緒になって考えていきたい」と話してくださって、その前向きな姿勢に共感しました。この方なら安心して任せられるな、と思いましたね。
未来に向けた話で、いろんなアイデアが出ていましたよね。成約前のタイミングで話すことは通常ありませんが、事前にスタッフの方にも相談する流れになったのを覚えています。
はい。私もいちばん気になっていたのは、一緒に事業をやっていた仲間のことでしたので、その進め方はとてもありがたがったです。結局、1人は離れることになりましたが、もう1人のキーマンのスタッフが「続けます」と言ってくれて。しかも本社がちょっと遠い場所なのに「通います」と言ってくれたんです。それは本当にありがたかったです。
お仲間の協力もあって、スムーズに譲渡できましたよね。
Q4:事業譲渡してから数年が経ちますが、望む暮らしはできていますか?
株式譲渡してから、生活はどう変わりましたか?
暮らしぶりは、大きく変わりましたね。事業に関する注文や在庫のことを常に気にしなくてよくなって、すごく気持ちが楽になりました。その分、息子のゴルフ遠征や学校生活をサポートする時間をしっかり確保できるようになったんです。
時間の使い方が一変したんですね!やりたかったことができていて、よかったです。
M&Aしてから2年以上が経ちますが、「あのとき譲渡を決断してよかった」と心から思っています。自分の時間を、子供に注げる環境が整えられたことは本当によかったです。

インタビューに答えてくれたオーナー
吉川さんに「買い手側は、M&Aすることで時間を買っている」というお話を聞いたのですが、M&Aをすることで時間を得ているという点では、売り手側も同じだなと感じています。子供の成長を近くで支える時間を得られたことは、私にとってすごく価値あることでした。