ご回答したこと
直感的に「できる人」ほど、「できない理由」が理解しづらいかもしれません。
営業として高い実績を上げている方に、後輩の育成やチームのマネジメントを任せることは、よくあることだと思います。しかし、実際にはうまくいかないケースが少なくありません。
様々な会社のトップ営業の皆様から私がよく聞いてきたのは、「なぜ、これができないのか。を言語化して伝えることが難しい」というお言葉です。会話の駆け引きや優先順位の立て方など、直感的にこなせてしまう部分は、とくにそうだと話していました。
本人にとっては当たり前にできることが、他の人にとっては当たり前ではない、というギャップは、なかなか気づきにくいものです。
結果として、「教える」よりも「自分でやってしまう」方が早いと感じ、知らず知らずのうちに仕事を抱え込んでしまう方も多くいました。このようにトップクラスの実績を持つ方に管理職としての役割を期待したものの、本人は現場の案件対応に戻ってしまう傾向は少なくありません。
このご相談者様の会社でも、似た状況が起きているようでした。
こういった状況に直面した時、「営業の得意さ」と「育成の得意さ」が必ずしも一致しないという、構造的な現象として理解することが大切になってきます。

視点出ししたこと
管理者を、「現場型」と「育成型」の役割に分けることも一手です。
営業組織における育成の課題への対処として参考になるのが、役割そのものを分けるという発想です。
大企業の中には、同じ管理職層であっても「現場で売上を伸ばす役割」と「人を育てて組織を強くする役割」を、あらかじめ別のミッションとして設計している例があります。
どちらが優れているという話ではなく、本人の適性に応じて役割を割り当て、それぞれを正しく評価することがポイントです。
売上を伸ばすことが得意な方には、そのまま実績を積んでいただく道を用意し、育成や仕組みづくりに熱意を持てる方には、そちらを評価する道を用意する、という形です。
このご相談者様の場合も、現場志向の強い方にいきなり組織運営を任せるのではなく、適性のある別の方に組織づくりの役割を担っていただくという方向性が見えてきました。
誰か1人に全てを背負わせるのではなく、得意な人に得意なことを任せる体制をつくることで、結果的に組織全体の成長につなげていくという発想です。

ざっとまとめると
適性に応じた役割分担が、組織の伸びしろを引き出します
- 優秀な人ほど育成が苦手なことは珍しくありません
- 「教える」より「自分でやる」を選びやすい傾向があります
- 現場型と育成型、役割を分ける発想が有効です
- 適性に合わせて評価の道を用意することが大切です
- 得意な人に得意なことを任せる体制が組織を強くします




