ご回答したこと
M&A実績の豊富な会社に比べると、案内される機会は少ないかもしれません。
ご相談者が検討される業界は、全国に数万社が点在する典型的なフラグメント(分散型)産業です。
それほど社数が多いにもかかわらず、「良い案件が出てこない」という声はM&Aの現場でよく耳にします。
なぜでしょうか。
理由はいくつか考えられるのですが、ここでは2つの見立てを記載します。
まず1つは「良い会社ほど会社を譲り渡す必要がない」ことです。
財務が健全で地域での信頼が厚く、後継者もいるなら、譲渡する理由がありません。
仮に譲渡を考え始めても、ご縁を通じてつながりのある買い手へ話が流れ、特定のネットワーク内で決まっていくケースも多いです。
もう1つは、有力な買い手が業界に存在し、相対的に案件情報にタッチする機会が少なくなっていることです。
業界に知れ渡っているストロングバイヤーのもとには、M&Aの情報がいち早く届けられる傾向にあります。
つまり、求める条件が高かったり、有力な買い手が多い業界ほど、出会える機会が少ないのはその通りかもしれません。
ただし、M&A(買収)の実績をつくり、M&A関連の方々にうまく周知することができれば、案内される機会は増えていくと思われます。
お伝えしたこと
売り手側の課題を解決できる強みが、選ばれる理由の1つになるかもしれません。
M&A(買収)の実績が未だない中で、どうすれば求める案件に出会う機会をつくれるでしょうか。
希望を広く伝えることも重要ですが、成約にまで至るには「売り手に選ばれる買い手」になることも有効です。
例えば、対象となる業界では、「人材獲得が悩みである」とよく耳にします。
「若い専門スタッフを採用できない」
「採用して育てても、一人前になったところで辞めてしまう」
「このまま一人で続けるのが不安」「体がいつまでもつかわからない」
こうした悩みを持つオーナーにとって、ただ「買いたい」と言う相手より、「自分の会社に足りないものを解決してくれる」相手の方が、当然魅力的に映ります。
M&Aは買い手側も売り手側も、双方が納得して選んで成約に至ります。
資金力も大事ですが、「自分たちが買う理由」を言語化することが、M&Aの実現可能性を高めるピースとなるかもしれません。
ざっとまとめると
希望条件を広く周知しつつ、選ばれる買い手になる準備を進めましょう
- 常連の買い手は、紹介ルートで良い案件を先に押さえています
- 売り手の課題を解決できる強みが、選ばれる理由の1つになります
- 「自分たちが買収する意味」を言語化することは、M&A支援会社へのアピールにもつながります



