M&A・事業承継コラム

株価算定方法(バリュエーション)の違いとは?企業価値評価の基本を解説

  • テーマ : 会社売却・事業譲渡

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M&Aで重要となる「企業価値(バリュエーション)」ですが、算定方法によって結果は大きく異なります。「結局、自社はいくらの価値があるのか?」と悩む経営者も少なくありません。本記事では、代表的な株価算定方法の違いや考え方をわかりやすく解説します。

目次読了目安時間 : 約2分

1.そもそも企業価値算定はなぜ必要なのか?

上場企業であれば株価が市場でつき、その総額である「時価総額=企業価値」が常に示されています。収益力や成長性、将来の利益見込みなどを踏まえ、投資家が評価しているからです。
一方、非上場企業には株価が存在しません。そのため、以下のような目的で企業価値を算定することが有効です。

  • 自社が現在どれほどの価値を持つかを把握する
  • 業界内の他社と比較し、自社の立ち位置を知る
  • 将来の経営戦略や事業承継の判断材料にする

企業価値算定は、非上場企業にとっても「経営の体力測定」となる重要な指標といえます。

M&Aの企業価値評価(株式価額の算定)ページはこちら

2.企業価値算定の代表的な3つの方法

非上場企業のバリュエーションでは、主に以下の3つの方法が用いられます。

方法例1 方法例2
コストアプローチ法 簿価純資産法 時価純資産法
マーケットアプローチ(マルチプル)法 類似企業比較法 類似業種比較法
インカムアプローチ法 DCF法 収益還元法

2-1.コストアプローチ法

資産から負債を差し引いた「純資産」を基に算定します。

  • 簿価純資産法:帳簿上の価値で評価
  • 時価純資産法:資産を時価評価して算出

清算価値を測る際や、資産が多い企業の評価に用いられる手法です。

2-2.マーケットアプローチ法(マルチプル法)

同業上場企業の株価指標(PER、EBITDA倍率など)を参考に、自社の数値に倍数をかけて評価します。参考とする企業や指標によって結果が変わるため、幅を持った評価となるのが特徴です。

2-3.インカムアプローチ法(DCF法)

将来の事業計画を基に、将来生み出すキャッシュフローを現在価値に割り戻して算定します。急成長を見込むベンチャー企業など、資産規模より収益性を重視するケースで多く用いられます。

3.「企業価値」はあくまで相対的なもの

企業価値評価は重要な指標ですが、絶対的な数値ではありません。以下の要因によって変動します。

  • 不動産や在庫など資産の状況
  • 直近の収益や市場環境
  • M&A交渉時の相手企業の評価

つまり、企業価値は「その時点における参考値」であり、買い手企業や市場環境によって評価は変わります。事業承継や株式売却を検討する際には、あくまでも相対的な基準として活用することが大切です。

本記事のポイントまとめ

  • 企業価値算定は非上場企業にも有効な経営指標
  • 代表的な方法は「コスト・マーケット・インカム」の3つ
  • 結果は絶対値ではなく、状況や相手によって変動する

M&Aや事業承継を検討する経営者にとって、株価算定方法を理解することは、自社の未来を考える上で欠かせない第一歩です。

この記事を監修した担当者

株式会社Buyside Bank 代表取締役
M&Aアドバイザー

吉川 翔

1984年 大阪府堺市生まれ。㈱リクルートに新卒入社。求人広告の営業、組織コンサルタント、EC事業の営業組織マネジャーなどを歴任。2016年に大手上場M&A仲介会社に転職。M&Aアドバイザーとして在籍1年半の間に11件の成約をサポート。M&Aの実行支援フェーズだけでなく、「経営者が意思決定を行うタイミングからサポートしたい」と考え、2018年5月に㈱Buyside Bank創業。「気軽にM&Aのことを聞いてもらえて、M&A以外の選択肢を含めて相談できる存在になること」を目指す。年間およそ100人以上の経営者と面談し、創業から2025年4月までの7年間でM&Aアドバイザーとして約40件のM&A成約を支援する。

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