M&Aでおさえたいポイント

M&A相乗効果の考え方

M&Aの相乗効果は、
まだ見ぬ未来を描き、
成長を加速させます。

M&Aによる相乗効果は、単なる規模の拡大にとどまらず、両社の「強みと強みを掛け合わせること」によって生まれる新たな価値の創出にあります。たとえば、一方の企業が持つ高度な技術力と、もう一方の企業が有する優れた販売チャネルを統合することで、新市場への迅速な参入や競争優位を確立することが可能になります。
ただし、M&Aの交渉をしているタイミングで、このような相乗効果をすり合わせするには、前提として双方が「自社の強みを“見える化”していること」が重要になります。利益の源泉となっている強みや課題を認識し、それが相手企業のどの資産や能力と補完し合えるのかを戦略的に見立てる必要があります。
M&Aを通じて、どのように相互成長するのか。仮説を話し合うことができれば、M&A後の戦略やPMIの体制づくりについても合意を図ることができ、期待される効果を最大化することが可能になります。

M&A相乗効果(シナジー)の考え方一例

類型 着眼点 Buyサイドの傾向
顧客拡大型 ○取引口座(顧客DB) ○顧客層 ○エリア ○販売チャネル ○営業体制 ○販売シナジー …etc 同業種の企業
商材拡充型 ○商品・サービスの内容や種類 ○ブランド力 ○商品開発力 ○商品シナジー …etc 隣接業種の企業
垂直統合型 ○企画機能 ○調達機能 ○生産機能 ○流通機能 ○販売機能 ○アフターフォロー機能 …etc 川上・川下にいる企業
新規参入型 ○ビジネスモデル ○市場成長性 ○マーケットシェア率 ○事業シナジー(強みを生かせるか) ○マネジメント可能か…etc 異業種・多角化思考の企業

M&Aは、「時間を買う」手段。相乗効果のねらいを定め、成長を加速させます。

M&Aは「時間を買う手段」とも言われるように、企業にとってM&Aは短期間での成長を実現するための重要な戦略です。その成長のかたちは1つではありません。
たとえば、同業他社との統合によって顧客基盤や販売チャネルを広げる「顧客拡大型」、自社にはない商品やサービスを取り込み、提案の幅を広げる「商材拡充型」。あるいは、企画・生産・流通といったバリューチェーンの前後にある企業の機能を取り込む「垂直統合型」や、まったく新しい市場や業界に参入する「新規参入型」といった選択肢もあります。
M&Aの相乗効果(シナジー)の考え方はいろいろとありますが、私たちはこの4つの類型でご相談に応じることが多いです。成長のスピードを上げるうえで、自社にとってどの方向が最も意味のある“掛け算”になるのか。相乗効果のねらいを明確にすることは、M&Aの成功確度は高めていく上で重要になると考えています。

顧客拡大型のM&A相乗効果(シナジー)について

相手の顧客基盤と市場シェアを一挙に獲得し、売上規模を拡大します。

顧客拡大型のM&Aは、相手先の企業が保有する取引先や販売チャネル、お客様に焦点を当てて、 “顧客接点”を拡張することに主な狙いがある類型だと考えられます。
主な魅力は、新たなエリアやターゲット層へのリーチが可能になったり、オンライン等の新たな販路を獲得できたりすることで、たとえば営業拠点が異なる同業種同士であれば、即座に営業網を広げることができます。ある卸売会社が、メーカーの一次口座を持つ同業会社を譲り受けることで、一挙に市場シェアを広げるといった事例もありました。
また、互いの顧客リストや営業ノウハウを共有することで、営業効率が飛躍的に向上し、市場シェアの拡大を加速させることも可能です。既存事業の成長をさらにスケールアップさせたい企業にとって、最も即効性が高く、M&Aの成果を実感しやすい戦略であると考えられます。

商材拡充型のM&A相乗効果(シナジー)について

相手の顧客基盤と市場シェアを一挙に獲得し、売上規模を拡大します。

顧客拡大型のM&Aは、相手先の企業が保有する取引先や販売チャネル、お客様に焦点を当てて、 “顧客接点”を拡張することに主な狙いがある類型だと考えられます。
主な魅力は、新たなエリアやターゲット層へのリーチが可能になったり、オンライン等の新たな販路を獲得できたりすることで、たとえば営業拠点が異なる同業種同士であれば、即座に営業網を広げることができます。ある卸売会社が、メーカーの一次口座を持つ同業会社を譲り受けることで、一挙に市場シェアを広げるといった事例もありました。
また、互いの顧客リストや営業ノウハウを共有することで、営業効率が飛躍的に向上し、市場シェアの拡大を加速させることも可能です。既存事業の成長をさらにスケールアップさせたい企業にとって、最も即効性が高く、M&Aの成果を実感しやすい戦略であると考えられます。

垂直統合型のM&A相乗効果(シナジー)について

川上・川下の機能を取り込み、QCD向上や経営効率化を実現します。

垂直統合型のM&Aは、自社の事業におけるサプライチェーンの“川上”あるいは“川下”にある事業を自社のコントロール下に収めることで、QCD(品質やコスト構造、スピード)を最適化する狙いがあります。
たとえば、製造業が部品メーカーを買収すれば(後方統合)、部品の安定調達とコストダウン、リードタイムの短縮など、競争優位の源泉をつくりだす効果が得られます。あるいは、卸売業者が小売業者を買収すれば(前方統合)、最終消費者への販売チャネルを直接確保し、市場ニーズを迅速に製品開発へフィードバックすることが可能になります。また、経営や財務、人材管理等のシステムを統合することで、各種管理コストの低減を図ることも可能です。
ただし、垂直統合型のM&Aは、簡単ではありません。内製化(自社グループ化)を進めることはリスクを抱えることにもつながりますし、サプライチェーンの位置が違えば業務の習慣やプロセス、考え方等は大きく異なり、統合マネジメントの難易度は高まります。失敗を回避し、筋肉質な事業構造を構築するには、M&A交渉の段階で、PMIの体制をふくめてシミュレーションを重ねることが重要であると思われます。

新規参入型のM&A相乗効果(シナジー)について

事業ノウハウや人材ごと新規参入し、未来の収益の柱を育てます。

新規参入型のM&Aは、既存事業の枠を超えて、今後成長する新たな市場へ参入するために異業種の企業を買収する、多角化思考のM&Aです。たとえば、成熟産業での成長が頭打ちになった企業が、今後の新たな収益の柱をつくるために行っています。
新規参入型のM&Aは、その市場で既に成功している事業モデルや人材、販路、仕組み・知見などを一括で獲得し、時間を買うがごとくスピーディーに新規参入を果たすことができます。ゼロから事業を立ち上げる場合と比べて、時間とコスト、そして失敗のリスクの観点で大きなメリットがあります。
この類型で最も重要なのは、売り手企業の持つ市場の成長性やマーケットシェアを見極めると同時に、自社の持つ経営資源を投入することで、さらなる成長が見込めるか(事業シナジー)という視点です。自社の強みを活かせる未開拓の領域へ進出することで、新たな収益の柱を創造し、持続的成長のための事業ポートフォリオを構築する、未来への投資と言える戦略です。

相乗効果(シナジー)の類型別、M&A成約一例

類型 Sellサイド Buyサイド
顧客拡大型 リフォーム(北大阪) リフォーム(南大阪)
商材拡充型 宝飾 呉服
商材拡充型 リフォーム
商材拡充型 電気メーカー 建材メーカー
新規参入型 飲食 不動産
垂直統合型 メーカー(川上) 商社(川下)
新規参入型 食品製造・卸売 個人(営業職)
商材拡充型 雑貨事業 Webマーケティング
商材拡充型 ドレス アパレル
顧客拡大型 道路舗装 土木・道路舗装
商材拡充型 訪問看護 訪問介護
垂直統合型 金属プレート(川上) 金属加工(川下)
新規参入型 フィットネスマシン製造・販売 EC

南大阪の会社が北大阪の会社を譲り受けたり、呉服販売の会社が宝飾の製造・小売会社を譲り受けたり、私たちBuyside BankがサポートしたM&Aは「顧客拡大型」と「商材拡充型」が多いように感じています。また、「垂直統合型」については、川下に位置する会社が、川上に位置する会社を譲り受ける“後方統合”をサポートした場合のほうが多いです。さらに「新規参入型」に関しては、営業職の個人が食品製造会社を譲り受けるなど、M&Aを活用した起業を支援するケースもありました。
M&A後に「成長」しているケースとそうでないケースを比較してみると、いくつかの明確な違いがあるように感じています。それらの違いを整理し、共通点を探っていると、M&A成約前の段階から、具体的なマネジメントフローや体制までを含めて仮説を精査する重要さに気づかされるようになってきました。
先人たちのM&Aの知恵(重要なナレッジ)を見える化し、検討段階からその知恵を共有することは、「M&Aをしてよかった」という声につながると考えています。“M&A仲介”という立場では「M&Aの成約」までが業務範囲となりますが、私たちはM&A後の「成長」につながる「成約」をサポートできるよう、相乗効果をつくりだす戦略策定方法やマネジメント方法の事例研究を続けていきます。

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