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CASES

No.5 土木工事・道路舗装会社の株式譲渡

社員と経営を評価してくれるお相手がいたから、 会社の解散ではなく、M&Aを選択しました。

(インタビュアー:吉川(写真左) 2021年7月インタビュー実施)

「創業から30年以上も自身で経営されてきた土木工事・道路舗装の会社を譲渡し、60歳を機に移住して新たな生活をはじめている譲渡オーナーの事例です。株式譲渡の締結がなされてから1年余りが経過し、現在は新たな地で新たな事業に忙しくされています。開店に伴ってご招待いただいた際、M&Aを決断された当時の背景や、譲り渡しに不安はなかったのか等、いくつかお伺いさせていただきました」
M&A概要
譲渡企業
業種土木工事・道路舗装
売上数億円
オーナーの年齢50代
譲渡の主目的後継者不在の為
譲受企業
業種総合建設
売上約30億円
オーナーの年齢40代
譲受の主目的舗装事業の拠点拡大の為

Q1:譲渡を考えたきっかけは何でしょうか?

後継ぎがいなく、働き詰めの社長の身体が気がかりだったこともあり、60歳になったら「明るく会社の解散をしよう」と以前から夫婦で話し、社員のみんなにもそれとなく共有をしていました。社員のみんなが次の職場に移るまでには支援金等も必要になるだろうから、区切りのタイミングがくるまでは堅実な経営を続けることを第一に心がけつつ、私たち自身もその後にどう暮らしていくかイメージを膨らませていました。
そんな計画をある知人に話したとき、その方から「これだけ堅実に経営されている会社なので、M&Aという選択肢もあるんじゃないか。紹介するから、一度話だけ聞いてみたら?」と勧められて、Buyside Bankのお二人とお会いすることになりました。M&Aという言葉自体は知っていましたが、自分たちとは違う世界の話だと思っていたので、最初は半信半疑な気持ちでいました。
M&Aを本格的に検討しようと思えたのは、2度目の面談時ですね。企業価値の試算結果と、解散と譲渡それぞれの場合のメリット・デメリットをわかりやすく説明いただいたこともそうですが、会社や私たちの将来のことを一緒に考えてくれたことが嬉しかったです。話がどんどん具体的になり、イメージもクリアになってきたので、話を前に進めてみようという気持ちになりました。

Q2:M&Aを進める上で不安はありましたか?

「私たちの会社をほしがるお相手は、本当にいるのか?」 その点を不安に感じていました。ただし、「M&Aができなければ、当初の予定通りに解散の選択をするだけ」と考えていたので、割り切って考えることはできていました。
M&Aは初めての体験で、準備することや考えることは少なくありませんでしたが、混乱することはありませんでした。情報が出回らないようにお声がけする会社を事前にすり合わせたり、進捗をこまめに共有していただいたり、気になることもその度に顔を突き合わせて相談できたことが、安心につながっていたと思います。
譲り受けをしていただく会社の社長と面談したのは、相手先探しを始めてから2~3ヶ月が経ったときのことだったと思うのですが、熱意や現場感を重視されていたことが印象に残っています。舗装事業や作業員に対して敬意を持たれていて、私たちが経営で工夫してきたところを評価して下さっていることを感じました。また、成約前に新たな社長候補の方に助っ人として現場で一緒に働いてもらうことで、お互いの理解を深めることができたこともあって、解散ではなく、この会社さんに譲り受けていただこうと徐々に気持ちが固まっていきました。

Q3:譲渡が完了した当時の率直なご感想を教えて下さい

当時のことを思い出すと… 自分たちのことで感傷に浸るというよりも、社員や会社、協力会社とのこれからのことを考えなければと感じていたように思います。また、私たちは引き継ぎを含めて事業に関わり続けることになりますが、株主という立場でなくなるので、そのあたりの振る舞いを自ら律していかなければいけないと気を引き締めていました。
M&Aをしてから1年以上が経った今、改めて振返ってみてもM&Aを選択してよかったと心から思います。社員たちの雇用を継続できて、創業した会社が譲り受けた会社の力になり、私たちは新たな地で新たなチャレンジを始められている。誰もが損をしない選択だったと思います。とはいえ、その選択も過去の話なので、私たちは私たちで新たな挑戦に力を尽くし、これからを楽しんでいきたいと思っています。
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